東京コミコン2020(オンラインイベント) レポート

 開催第5回目となった「東京コミコン2020」は新型コロナ感染防止目的で幕張メッセでのイベントは中止になり、代わりにオンラインでの開催となりました。(2020年12月開催)

 完全オンラインのみでの開催の東京コミコンに何か楽しみがあるのか?東京コミコンのウリである海外セレブとの交友はどう行われたのか?オンライン・東京コミコン2020の様子をレビューしたいと思います。

****************************************

 さて、自分が本家サンディエゴ・コミコンを知ったのは数十年前。チケットは約一年前に発売され、しかも発売開始時間にほぼ瞬殺という大人気イベント。

 自分も一度は行ってみたいとオンラインのチケット争奪戦に参加し、一年後”結局渡米都合がつかずに参加断念する”というパターンを何度も繰り返し半ばあきらめていたところ、青天の霹靂でコミコンが日本で開催されるというニュースを聞き、以来毎年イベントに参加している”東京コミコン大ファン”。ファンだからこそ色々意見や要望希望はあるものの、海外に行かずとも参加できる地元コミコンとして自分にとって東京コミコンは毎年なくてはならない、いえ、人生になくてはならない存在となりました。

 しかし今年(2020年)は新型コロナが世界的に蔓延し、コミコンも5周年にして中止か?と騒がれましたが結局はオンラインでの開催が発表され、これまたどんなオンラインイベントになるのか?(不安しかない)とツイッター炎上。(何かしら炎上するのが東京コミコンの風物詩といわれている)

 自分はコミコンファンとはいえ、毎年の幕張会場の熱狂を体験している者としては「東京コミコンをオンラインで開催する事に意味があるのか」という意見に同調するしかありませんでした。

 しかし、実際オンライン・東京コミコンを視聴した感想は「意外となかなか良い」。以下が各部門コンテンツの感想です。

サイン会&海外セレブ部門

 まず、今までの東京コミコンのメイン・フィーチャーだった「ハリウッド俳優来日&会場でのサイン撮影会」が事前申し込みによる「オンラインサイン会」に変更されました。

 が、「オンラインサイン会」といっても録画による配信で個々のファンとセレブ俳優の交流はありません。

 しかし個人名入れサービスをしてくれる俳優さんはカメラ目線で名前を呼んでくれるなど、画面の中とはいえ出来るだけパーソナライズしてくれていたように思います。

 特にクリスティーナ・リッチは名前を呼ぶときに毎回必ずにっこりとカメラに笑顔をくれて好感度高く、名前を呼ばれて微笑まれたファンはたまらないだろうなとうらやましく思いました。リアルサイン会ではもちろん録画禁止ですが、今回は動画配信ですのでこの瞬間を録画する事も可能。リアルイベントにはないメリットもあったと思います。

 ※参加俳優さんによってカメラ目線サービスには多少ムラがありました

 なお、今回のサイン会は申し込み時にいわばリアルイベントの入場料のようなものとして「コミコンオンライン観覧料」500円を払う必要があり、一度観覧料を払うとセレブのサイン録画だけでなく、他の有料コンテンツ動画も見放題です。サイン会に参加しなかった場合もやはり観覧料500円を払う事で各参加俳優さんのサイン動画を見ることが出来ます。

(※現在視聴期間終了の為コンテンツを見る事はできません)

 さて、リアルイベントではサイン&撮影待ちの待機列が長く、過酷な環境(12月の幕張メッセで天候が悪ければ外並びはある意味命がけ)での長時間待機や幕張までのトラベルが必要ない分、今まで参加を諦めていた人達が気軽に参加し、後日都合のよい時にサイン会様子を見放題。という選択肢も悪くはないと思うようになりました。

 そのメリットの最たる例として難病を患っているマイケル・J・フォックスの東京コミコン・ウェブサイン会参加という快挙があります。(2021年1月現在、アメリカのコロナ蔓延によりM.J.フォックスのオンラインサイン会は安全を期して延期中)

 今後コロナ状況が改善され、リアルでのイベントができるようになっても様々な理由でリアル参加できない俳優さんたちの為に、オンライン枠が残れば色んな俳優さんに会える機会がぐっと広がるのではないでしょうか?個人的には監督さんや、知る人ぞ知る俳優枠なんかが増えるといいと思っています。

 しかし、今後の課題として、「録画ではなくリアルタイムで俳優さんと言葉を交わしたい」という要望の実現があると思います。現状では大勢の個人のデバイスが個々にスムーズにつながるにはテクニカルな問題もあるとは思います。しかし、”リアル会場の会場カメラの前に来れば俳優さんと言葉を交わせる”くらいのところから実現していってもらえばいいなあ等と思ってしまいます。

初めての東京”コミコン”らしいコンテンツとなった「市川海老蔵・イライジャ・ウッド対談」

 

さて、今回のコミコンの目玉はアンバサダーとなった歌舞伎俳優・市川海老蔵丈のステージ。

 オンライン開催となってしまったとはいえ、記念すべき5周年のアンバサダーとして最高のプレゼントです!東京コミコンファンとして初年から参加してきたファンとして、コミコンもここまで成長したかと感無量。

 しかも今までの飾り程度のアンバサダーとは違い、盛りだくさんの海老蔵さんが参加するコンテンツがあり、これはうれしいサプライズでした。初年から「東京コミコン」はハリウッドのスターに会える場所だけでなく「日本のコミコン」らしく、日本の俳優さんとも交流ができる場所になればよいと思っていたので、夢が半分実現したような気分になりました。

 特に今年のセレブゲストであるイライジャ・ウッドとの対談は内容的にも見ごたえがあり、「市川海老蔵をハリウッドが配役するとしたら?」の質問にイライジャが「デルトロ監督等が海老蔵さんの動きをキャプチャーしてリクリエイトするとか興味深いと思う」とのコメントにはPCの前で思わず「お~!!」と声を上げてしまいました。

 ”もしも”の話とはいえ、デルトロ監督が海老蔵丈をデルトロワールドに彩るなんて想像するだけで想像力を刺激され、ワクワクが止まらない。

 毎年の会場での熱狂で楽しむコミコンと比べ、今年は一人ぽつんと自宅のPC前に座って観戦となりましたが、結果的にはすばらしい企画&コンテンツで想像の世界に羽を広げる事ができた。これこそコミコン!こんな豪華な企画を実現させてくれるには大変だったろうし、コロナ渦でアンバサダーを引き受けてくれた海老蔵丈にも本当に感謝です。これからのコミコンの成長の大きなきっかけになったこの対談、これからも毎年のコミコンに期待したい!と胸を熱くした一場面でした。

 また、海老蔵丈の舞台では彼のヒーロー像、そして悪役像などがじっくりと聞け、さすが舞台という世界に精進している人の意見には重みがあるなあと感動。「悪役は純粋な人」という内容に自分の映画感が変わったように思います。普段お茶の間TVやYouTubeなどには出てこない一流の役者さんのトークというのはやはりありがたみがあります。こういうところは、「セレブと会える」東京コミコンならではの出し物だったと思います。トーク舞台にある程度の長さがあったのもオンライン開催ならではの功名となったのではないでしょうか?良い話は短い時間では聞けないものです。

アーティストアレイ部門

 さて、本場のコミコンではセレブサイン会よりもメイン感がある「アーティストアレイ」部門。コミックアーティストがブース出展をし、作品を売ったりファンと交流するエリアですが、東京コミコンでは残念ながらあまりスポットが当たっていませんでした。

 今回は幾人かのアーティストにスポットを当てて配信が行われ、通常ならば会場にいてもなかなかアーティストアレイに足を運ぶ機会が時間的になかった自分は、初めてコミコンに参加していアーティストを知る事となりました。同じく絵を描く者として彼らのストーリーは非常に刺激になり、改めて「コミコン」がクリエイティブな場所である事を再認識。混雑したリアル会場ではなかなか気に入ったアーティストを探すのも困難と考えると、今後も動画によるアーティスト紹介→それを見て気になったアーティストには現地で会えるという形も継続すると、日本のコミコンでの「アーティスト・アレイ」が変わっていくのではないでしょうか。

ポップな画風でイラストや立体物を制作しているGRAFFLEXさん

 ジャンプ&マーベルコミック編集長対談

 漫画好きでなくても最近のジャンプ作品の活躍は無視できない勢いがあります。そんな折、非常にタイムリーな企画だった「ジャンプ&マーベルコミック編集長対談」!非常に興味深く聞きました。

欲を言えばもっとたくさんの漫画に言及して欲しかった、もしくは漫画家さんも対談に含めて欲しかったという素人要望はあります。しかし初めて企画ですので今後色んな形で進化していって欲しいコンテンツだと思いました。

 しかしながら、マーベル編集長とジャンプ編集長が語り合う。これぞハリウッドと日本の架け橋の場となる「東京コミコン」のあるべき姿なんだと、やはり一人PCの前で興奮。繰り返しになってしまいますが、リアル開催が復活してもぜひこの流れを止めず、舞台・映画・物語のエンターテイメントにかかわる人たちが一年で一度で良い、出会える場所に成長していってほしい!そんな思いを再度燃やす、そんなオンライン・東京コミコン2020でした。